1. HOME
  2. 一覧
  3. 仏教経典
  4. 雲水和讃

雲水和讃

.
ここでは 明石の禅寺 大蔵院に伝わる
雲水を詠んだ和讃
「雲水和讃」を記します
.
.
雲水(うんすい)とは
禅の修行者のこと
.
禅の修行者は
教えを求めて
一定の場所に留まること無く
各地を旅をしました
.
宋の蘇軾が作った漢詩に
行雲流水 初無定質
というものがあり

その意味するところが
禅の修行の様子と
通じていることに由来して
禅の修行者を雲水と呼びます
.
禅宗の僧堂に留まり修行している僧や
托鉢行を行っている禅僧も
雲水と呼びます
.
.
.

雲水 うんすい

1 雲が定めなく行き、
水が流れてやまないように、
一所にとどまらない自由な人。
また、
そのような境涯。

2 行方を定めないで
諸国を行脚する修行の僧。

雲水僧。雲衲うんのう。

出典 小学館デジタル大辞泉

行雲流水 こううんりゅうすい
ただよう雲と流れる水。
他の力にさからわないで、
滞りなく動く自然のゆうゆうとした姿。
自然のまま、
なりゆきにまかせて行動する
さまなどをたとえていう。

出典 精選版 日本国語大辞典

蘇軾 「謝民師推官与書」

大略如
行雲流水 初無定質
但常行於所当行
 常止於所不可不止
文理自然 姿態横生

大たい略りゃく、行雲こううん流りゅう水すいの如ごとく
初はじめ定質ていしつ無なく
但ただ常つねに当まさに行ゆくべき所ところに行ゆき
常つねに止とどまらざる可べからざる所ところに止とどまり
文ぶん理り自し然ぜんにして、姿し態たい横生おうせいす。

.
.
.

雲水和讃

抑(そ)も抑(そ)も 茲(ここ)に諸(しょ)菩薩(ぼさつ)の

発心(ほっしん)修行(しゅぎょう)の有様(ありさま)を

逐(ちく)一(いち)示(しめ)し申(もう)さんに

筆(ふで)も言葉(ことば)も及(およぶ)まじ

先(まず)其内(そのうち)のあらましを

諸国(しょこく)修行(しゅぎょう)の姿(すがた)とて

前(まえ)に掛(か)けたる袈裟(けさ)文庫(ぶんこ)

后(うしろ)に揲(かさね)る砥(と)(石(いし))に合羽(かっぱ)

足(あし)には脚(きゃ)絆(はん)甲(こう)掛(かけ)で

半(なか)ばは穿(うが)つ鬼(おに)鞋(わら)じ

龍(りゅう)の吟(ぎん)ずる谷底(たにぞこ)も

虎(とら)の嘯(うそぶ)ぶく山国(やまぐに)も

厭(いと)ひ恐(おそ)れは更(さら)に無(な)く

昼(ひる)の飯(めし)やみ夕(ゆう)宿(やど)は

行(ゆ)く先(さ)き先(ざ)きの寺々(てらでら)を

頼(たの)みて無(な)くは是非(ぜひ)もなし

宮(みや)の拝殿(はいでん)辻堂(つじどう)に

合羽(かっぱ)を敷(し)きて一(ひ)と眠(ねむ)り

木(き)の下(した)一夜(いちや)の境界(きょうがい)は

思(おも)い知(し)るべき事(こと)もなし

夫(それ)より終(つ)ひに志(こころ)ざし

大(だい)叢(そう)林(りん)にかけ登(のぼ)り

掛(か)錫(しゃく)を願(ねが)ふ有様(ありさま)は

門(もん)より威儀(いぎ)を整(ととの)へて

庭(にわ)の小縁(こぶち)に腰(こし)をかけ

頼(たの)み申(もう)すの一(ひと)声(こえ)が

又(また)二声(ふたこえ)と呼(よ)ぶ声(こえ)に

応(おう)と返事(へんじ)に出(い)で来(きた)り

聞(き)く(?)にも優(ゆう)なる断(ことわ)りを

夫(そ)れをも厭(いと)はず一筋(ひとすじ)に

縁(ふち)に打(う)ち伏(ふ)し頼(たの)みつつ

警(けい)策(さく)柱(しゅ)杖(じょう)で再(ふたた)びも

追(お)ひ出(だ)されては立(たち)皈(かえ)り

漸(よう)やく許(ゆる)し上(あ)けられて

其(それ)より七日(なのか)の旦過(たんが)詰(づめ)

最(もっと)も殊勝(しゅしょう)に勤(つと)むれば

先(まず)づ参堂(さんどう)の一声(ひとこえ)を

是(こ)れで一(ひと)先(ま)づ安堵(あんど)せり

夫(それ)より大衆(たいしゅう)諸共(もろとも)に

昼(ちゅう)参(さん) 夜(や)参(さん) 是(こ)れ勉(つと)め

昼(ひる)は脚(きゃ)絆(はん)甲(こう)掛(が)けで

山(やま)に入(い)りては薪(まき)を刈(か)り

畑(はたけ)に入(い)りては耕作(こうさく)し

月(つき)に三五(さんご)の托鉢(たくはつ)は

雨(あめ)や霰(あられ)の差別(さべつ)なく

近(ちか)くは三(さん)里(り)四五里(しごり)迄(まで)

朝(あさ)に星(ほし)を戴(いただ)いて

暮(くれ)には暗(やみ)を友(とも)となし

行(ゆ)くも皈(かえ)るも夜(よる)の道(みち)

村(むら)里(ざと) 人(ひと)の家(いえ)に立(た)ち

若(も)し仏餉(ぶつしょう)の志(こころ)ざし

施(ほどこ)し給(たま)へと呼(よ)ぶ声(こえ)に

直(じか)に奥(おく)より繰(くり)盆(ぼん)に

戴(いただ)き差出(さしだ)す嬉(うれ)しさは

誰(だれ)に語(かた)らん人もなし

さは去(さ)ながら乞食(こつじき)の

修行(しゅぎょう)する身(み)の有様(ありさま)は

犬(いぬ)に叫(さけ)ばれ吠(ほ)へられて

人(ひと)に笑(わら)はれ謗(そし)られつ

如何(いか)なる我慢(がまん)高慢(こうまん)も

一時(いちじ)に破(くだ)け折(お)れにけり

皈(かえ)り来(きた)りてあら先(ま)づと

休(やす)む暇(ひま)なく直(すぐ)様(さま)に

直(じき)日(じつ) 侍者(じしゃ)に追(お)ひ出(だ)され

眠(ねむ)れば二度(にど)の警(けい)策(さく)で

肩(かた)を打(う)たれて目(め)を覚(さ)ませ

一(いち)解(げ)に三度(みたび)の大(おお)接(ぜっ)心(しん)

如何(いか)なる智者(ちしゃ)や学者(がくしゃ)とて

延(のば)す手足(てあし)は更(さら)に無(な)し

夜(よ)るは寒暑(かんしょ)の隔(へだ)て無(な)く

布団(ふとん)一枚(いちまい) 柏(かし)は餅(もち)

枕(まくら)を作(つく)る事(こと)もなし

夫(それ)れ朝(あさ)夕(ゆう)の糊口(ここう)には

箸(はし)にかからぬ五句(ごく)(?)粥(かゆ)


糠(ぬか) 味噌汁(みそしる)に万(まん)年(ねん)漬(づけ)

腹(はら)の膨(ふく)るる事(こと)もなし

偶々(たまたま)出逢(であ)ひし皆(かい)請(せい)(?)や

供養(くよう)日(び)やら施餓鬼(せがき)斎(どき)

食(じき)念(ねん)深(ふか)き戒(いましめ)に

仏(ぶっ)祖(そ)の金言(きんげん)忘(わす)れねば

満腹(まんぷく)する事(こと)更(さら)になし

生(うま)れて里(さと)の人々(ひとびと)に

修(しゅ)行(ぎょう)風情(ふぜい)見(み)するなら

泣(なく)より外(ほか)はなかるべし

恋(こい)しき宅(いえ)の故郷(ふるさと)に

足(あし)を留(とど)めて居(い)るならば

此(こ)んな憂(う)き目(め)は無(な)きものを

是(こ)れに引(ひ)き替(か)へ世(よ)の人(ひと)は

珍味(ちんみ)を尽(つく)して喰(くら)ひつつ

四時(よじ)の衣服(いふく)は節(せつ)(?)を得(え)て

碁会(ごかい)に茶会(ちゃかい) 花(はな)の会(かい)

諸芸(しょげい) 文才(ぶんさい) 闘(たたか)はす

楽(たの)しき事(こと)の数々(かずかず)は

如何(いか)に筆紙(ひっし)につくすべき

併(しか)し此(こ)の身(み)は四大(しだい)とて

地(ち)水(すい)火(か)風(ふう)の和合(わごう)にて

一々(いちいち)是(これ)れを分离(ぶんり)して

物(もの)を言(い)はずに何物(なにもの)と

少(すこ)し小(こ)頸(くび)を傾(かたむ)けて

つらつら思(し)案(あん)致(いた)すれば

仏(ほとけ)と云(いう)者(もの) 更(さら)になし

鬼(おに)も大蛇(だいじゃ)も阿羅漢(あらかん)も

八万(はちまん)四千(しせん)の神々(かみがみ)も

天(あま)つ国(くに)つの神々(かみがみ)も

是(こ)れ皆(みな)凡(すべ)て我(わ)が者(もの)と

成(な)すと成(なさ)ぬの境界(きょうかい)に

天堂(てんどう) 地獄(じごく)と現(あらわ)るる

耶蘇(やそ)の教(おしえ)も哲学(てつがく)も

心(こころ)の外(そと)の法(ほう)はなし

心外(しんげ)に法(ほう)を求(もと)むれば

是(こ)れを外道(げどう)と申(もう)すべし

高(たか)く眼(まなこ)を附(つ)けて見(み)よ

三(さん)皇(こう) 五(ご)帝(てい) 釈迦(しゃか) 迄(まで)も

少(すこし)も我(が)見(けん)違(ちが)ひなし

然(しか)るに世(よ)の人(ひと)誤(あやま)りて

長(なが)く上帝(じょうてい)の奴(ぬ)僕(ぼく)とも

なるは如何(いか)にも残念(ざんねん)と

よしや此(こ)の様(よう)に申(もう)すなら

容(よう)興(きょう)(?)の歓(かん)をなす勿(なか)れ

綿々(めんめん) 密々(みつみつ) 工夫(くふう)して

工夫(くふう)に工夫(くふう)を打(うち)ならし

一旦(いったん)憂(うれ)へし魂(たましい)を

殺(ころ)し尽(つく)して其(その)后(あと)は

修(しゅ)行(ぎょう) 此(こ)処(こ)に至(いた)りなば

形(かたち)に執(しゅう)し 名(な)に執(しゅう)し

迷(まよい)に 迷(まよい)を 引(ひ)き起(おこ)し

信心(しんじん) 堅固(けんご)の 其(そ)の人(ひと)は

有(あ)らぬ限(かぎ)りはなき物(もの)ぞ

一(ひ)と度(たび) 是(こ)れを悲(ひ)憤(ふん)して

求(ぐ)道(どう)の念(ねん)の度(ど)を進(すす)め

??(□□)の為(た)めなり  君(きみ)の為(た)め

身(しん)心(しん)財(ざい)を擲(なげう)つて

四(し)句(く)の誓(ちか)ひに鞭(むち)を打(う)ち


勉(つと)め勉(つと)めて諸(しょ)大(だい)徳(とく)

勉(つと)め勉(つと)めよ諸(しょ)大(だい)徳(とく)



.
.
.
.
当院に とある書物がありました

表題こそ
「雲水和讃」と読めましたが
戦前の古い文体
今は使われてない旧字体
手書きで記したことによる誤字脱字
読むことが困難でした

この度 助力を頂き
大部分が明らかになりました
ので
公開することにしました

しかしながら
ご覧の通り
不明な点が残っています

もし この雲水和讃を
ご存知の方がいらっしゃいましたら
下記まで
ご指示いただければ 幸いです

メール :大蔵院メールフォーム
電 話 :078-911-2131

.

明石の禅寺 大蔵院
経典 記事一覧

.
金剛般若経
般若心経(大本・小本)梵語
.
観音経
延命十句観音経
.
大悲呪
開甘露門
.
消災呪
仏頂尊勝陀羅尼
.
信心銘
証道歌
.
十牛図
坐禅儀
.
中峰和尚座右の銘
興禅大燈国師遺戒
.
白隠禅師坐禅和讃.
雲水和讃
.
.
© 2022 kenkozan Daizoin

般若心経
大悲呪
昔の本堂の様子と 新本堂を再建する様子

[instagram-feed feed=1]

error: Content is protected !!